旅する写心 〜「全英オープンの記憶」2008年 グレッグ・ノーマン

これまでノーマンの
メジャー優勝を逃したシーンを
どれだけ見てきただろうか。

前回のロイヤルバークデール
2008年全英オープンの最終日を
ノーマンは2打差のトップで迎えた。
最年長優勝がかかった53歳は
朝からイライラした雰囲気だった。
元女子プロテニスプレーヤーの
クリス・エバートと結婚した年で
応援に来ていた彼女とのシーンを
大勢のカメラマンに好奇の目で
追いかけられていた。

全英で最も難しいスタート3ホールを
ボギー、ボギー、ボギーとし
パドレイグ・ハリントンに追いつかれた。
後半に入ってもボギーは止まらず
終わってみると6打差の3位タイ。
悲劇のヒーローの背中をじっと追った。

ノーマンのような
アグレッシブなプレーヤーが
いなくなったのは本当に寂しい。

宮本 卓Taku Miyamoto

1957年、和歌山県生まれ。神奈川大学を経てアサヒゴルフ写真部入社。84年に独立し、フリーのゴルフカメラマンになる。87年より海外に活動の拠点を移し、メジャー大会取材だけでも100試合を数える。世界のゴルフ場の撮影にも力を入れており、2002年からPebble Beach Golf Links、2010年よりRiviera Country Club、2013年より我孫子ゴルフ倶楽部でそれぞれライセンス・フォトグラファーを務める。また、写真集に「美しきゴルフコースへの旅」「Dream of Riviera」、作家・伊集院静氏との共著で「夢のゴルフコースへ」シリーズ(小学館文庫)などがある。全米ゴルフ記者協会会員、世界ゴルフ殿堂選考委員。

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