旅する写心 〜「コース巡礼」8.ファイアーストーンCCサウスコース 18番ホール

今なお語り継がれるショットのひとつ。
2000年NECインビテーショナルで
タイガーの暗闇で放った一打は外せない。
モンスターコースとして名高い、
ファイアーストーンCCがその舞台だった。

その年全米オープン、全英オープン、全米プロと勝ち、
その翌週に行われた試合。
絶好調のタイガー・ウッズは、
2日目コースレコードにならぶ「61」(パー70)。
9打差で迎えた最終日、
霧雨の影響もあって夕闇の訪れは早かった。
うす暗くなるコースの中でもスコアを伸ばし続ける。

そして、18番の2打目。
タイガーのベストショットとも言われる放物線は、
闇を切り裂いてピンそばにピタリと止まった。
誰もがモンスターコースと恐れるなか、
最後のバーディで
トーナメントレコード「259」を記録。
未だに破られてはいない。
あの鳥肌がたったショット、
忘れる事はないだろう。

Firestone Country Club(South)
オハイオ州アクロン
18th hole 464yards Par4

宮本 卓Taku Miyamoto

1957年、和歌山県生まれ。神奈川大学を経てアサヒゴルフ写真部入社。84年に独立し、フリーのゴルフカメラマンになる。87年より海外に活動の拠点を移し、メジャー大会取材だけでも100試合を数える。世界のゴルフ場の撮影にも力を入れており、2002年からPebble Beach Golf Links、2010年よりRiviera Country Club、2013年より我孫子ゴルフ倶楽部でそれぞれライセンス・フォトグラファーを務める。また、写真集に「美しきゴルフコースへの旅」「Dream of Riviera」、作家・伊集院静氏との共著で「夢のゴルフコースへ」シリーズ(小学館文庫)などがある。全米ゴルフ記者協会会員、世界ゴルフ殿堂選考委員。

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