長いゴルフ人生、
最後の優勝がどこになるかは
わからない。
しかし本人にはきっと
なんとなく感じるものがある。
丸山茂樹はPGAツアーを撤退した後、
ジワジワと体力の限界を感じながら
日本の試合に出ていた。
2009年12月の「日本シリーズ」
思ってもないチャンスが訪れた。
持てる力を振り絞る。
これが最後なのかもしれない。
心のどこかでそう思いながら。
金庚泰とのプレーオフ勝負となった。
舞台は東京よみうりCCの名物18番パー3。
3ホールを終えても決着がつかない。
冷気が一気にグリーンを包んだ。
4ホール目、
丸山がウィニングパットを沈めた瞬間、
スタジアム状のホールは地響きを鳴らした。
丸山の目から涙が溢れる。
何度も丸山の優勝を見てきたが
涙は初めてだった。
長く同じプレーヤーを撮り続けてきて、
最後の優勝が撮れたことは
幸運というほかない。
東京よみうりの18番を見るたびに思い出す。
丸山との旅はハッピーエンドだった、と。
東京よみうりカントリークラブ
東京都稲城市
東京よみうりカントリークラブ