旅する写心 〜Hollywood Star

今でこそ1試合で60万人もの
ギャラリーを集める試合もあるが、
第2次大戦前のPGAツアー創成期は
ギャラリーを集めることに苦労した
と伝えられている。
そこで力になったのが
ハリウッドスターの協力だった。

1937年に当時絶大なる人気を誇っていた
ビング・クロスビーが一肌脱ぎ
「ビング・クロスビー・ペブルビーチ・プロアマ」
が始まった。
ハリウッドスターがこぞって参加して
大変華やかな大会となり、
プロゴルフツアーに注目を集め
ギャラリーを呼び込むという点で
大成功を収めた。

その後もサミー・デイビスJr.が
1973年から1988年まで
コネチカット州で開催された大会を主催。
喜劇俳優のボブ・ホープは、
1965年からパームスプリングスで
「ボブ・ホープ・クラシック」を開催した。
この大会は、
2003年に本人が亡くなった後も継続され、
冠名は2011年まで残されていた。
世界的な歌手のフランク・シナトラも、
1963年にラスベガスで招待試合を開催した。
現在隆盛を極めているPGAツアーは
実はこうしたハリウッドスターたちが
道筋を作ってくれたのだ。

いまも続くペブルビーチの大会。
今年で開場100周年の節目を迎える会場の
ペブルビーチゴルフリンクスが
ここまで世界的に名を馳せたのも、
この大会があったからかもしれない。
今週はいつも以上に華やいだ雰囲気だろう。

Pebble Beach Golf Links
カリフォルニア州ペブルビーチ

宮本 卓Taku Miyamoto

1957年、和歌山県生まれ。神奈川大学を経てアサヒゴルフ写真部入社。84年に独立し、フリーのゴルフカメラマンになる。87年より海外に活動の拠点を移し、メジャー大会取材だけでも100試合を数える。世界のゴルフ場の撮影にも力を入れており、2002年からPebble Beach Golf Links、2010年よりRiviera Country Club、2013年より我孫子ゴルフ倶楽部でそれぞれライセンス・フォトグラファーを務める。また、写真集に「美しきゴルフコースへの旅」「Dream of Riviera」、作家・伊集院静氏との共著で「夢のゴルフコースへ」シリーズ(小学館文庫)などがある。全米ゴルフ記者協会会員、世界ゴルフ殿堂選考委員。

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