旅する写心 〜「コース巡礼」41.京都ゴルフ倶楽部 上賀茂コース 1番ホール

京都は夏が暑く、
冬は底冷えするほど寒い。
だからと言って
嫌いかというと
大好きなのだ。

いろいろ旅をしてきて
気がついたことは、
寒暖差が激しいところほど
食べ物は美味しいし
景色が綺麗だ。

暑いの寒いのと言う人には
このご褒美を味わうことができない。
寒さを褒めに
京都ゴルフ倶楽部に向かった。

夜明けとともに
池からは水蒸気が上がり
鹿がコースに現れた。
何とも言えない風情に
日本人に生まれた
喜びを噛みしめる。

夜が明け陽が登る直前が
一番冷える。
手を震わせながら
シャッターを押す。

戦後初めてできたコースが
この京都ゴルフ倶楽部
上賀茂コースだった。
GHQが上空から用地を探し
この上賀茂神社の神森に目をつけた。

今では考えられないことだが
奇跡のコースと呼ぶのに
ふさわしいかもしれない。
だって世界文化遺産の中にある
ゴルフ場なのだから。

京都ゴルフ倶楽部 上賀茂コース

宮本 卓Taku Miyamoto

1957年、和歌山県生まれ。神奈川大学を経てアサヒゴルフ写真部入社。84年に独立し、フリーのゴルフカメラマンになる。87年より海外に活動の拠点を移し、メジャー大会取材だけでも100試合を数える。世界のゴルフ場の撮影にも力を入れており、2002年からPebble Beach Golf Links、2010年よりRiviera Country Club、2013年より我孫子ゴルフ倶楽部でそれぞれライセンス・フォトグラファーを務める。また、写真集に「美しきゴルフコースへの旅」「Dream of Riviera」、作家・伊集院静氏との共著で「夢のゴルフコースへ」シリーズ(小学館文庫)などがある。全米ゴルフ記者協会会員、世界ゴルフ殿堂選考委員。

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