「風の向くまま」〜Maiden Voyage


神戸の旧居留地にある
オリエンタルホテルの壁に
一枚の地図が飾られている。
落書きのような簡単なものだが
不思議と吸い込まれるように
見入ってしまう自分がいた。

神戸が開港した1868年に
一人のイギリス人青年が
神戸に上陸した。
その名はアーサー・ヘスケス・グルーム。
1874年には日本で2番目の鉄道が
大阪-神戸間で開通した。
貿易商だったグルームは
この地に「東洋一の洋館ホテル」
オリエンタルホテルを建設。
スポーツをこよなく愛したグルームは
やがて六甲山の開発に乗り出し
自身の別荘を建てた。

そして、それだけでは飽き足らず
ゴルフ場を造ることに情熱を傾けた。
それが日本で初めてのゴルフ場
神戸ゴルフ倶楽部である。

眺めていると
当時のグルームの気持ちが
伝わってくる可愛い地図だ。
ゴルフが好きで温泉が好き。
なぜかグルームのそばには人が集まった。
日本人の女性と結婚し
15人の子供に恵まれた。
スコッチが好きだったという。
この地図もきっと
酔っ払いながら書いたのかも。
ああ、なんて素敵な人なんだ。

神戸オリエンタルホテル
兵庫県神戸市

神戸オリエンタルホテル