旅する写心 〜Aim for the top

オリンピックが始まった。
少し霞ヶ関CCの歴史を遡ってみよう。
1929年、米国でゴルフを学び帰国した
藤田欽哉がこの土地に惚れ込み
まず18ホールのルートプランを考えた。
そして赤星四郎、井上信、
清水揚之助、石井光次郎の
四人それぞれが数ホールの設計を担当、
今でも珍しい設計スタイルだが
それがまた良い味わいを出していた。

翌30年にC.H.アリソンが
東京GC朝霞Cの設計のため来日、
霞ヶ関CCはアリソンに改造を依頼した。
アリソンは10番ホールの佇まいに感動し、
のちに「アリソンバンカー」として有名になる
大きなバンカーをグリーン手前に作った。

アリソンの設計では
バンカーばかりが注目されるが
もうひとつの特徴はドライブ&チップだ。
距離の短いパー4をどのように攻略するかを
プレーヤーが試されるホール。
今回はオリンピックに向けて
ファジオ親子が改造したが
大会の大詰めとなる17番ホールは
まさしくドライブ&チップのホールだ。
ティマーク次第では
ワンオンも選択肢に入る面白いホール。
金メダルを目指して
選手がどのように攻略するかが楽しみだ。

霞ヶ関カンツリー倶楽部

宮本 卓Taku Miyamoto

1957年、和歌山県生まれ。神奈川大学を経てアサヒゴルフ写真部入社。84年に独立し、フリーのゴルフカメラマンになる。87年より海外に活動の拠点を移し、メジャー大会取材だけでも100試合を数える。世界のゴルフ場の撮影にも力を入れており、2002年からPebble Beach Golf Links、2010年よりRiviera Country Club、2013年より我孫子ゴルフ倶楽部でそれぞれライセンス・フォトグラファーを務める。また、写真集に「美しきゴルフコースへの旅」「Dream of Riviera」、作家・伊集院静氏との共著で「夢のゴルフコースへ」シリーズ(小学館文庫)などがある。全米ゴルフ記者協会会員、世界ゴルフ殿堂選考委員。

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