旅する写心 〜Dream of Naomi

大坂なおみがついに
テニスで日本人最初の
メジャーチャンプになった。
ゴルフでは1977年全米女子プロに
樋口久子が勝った。
だが男子では今一歩のところで
栄冠に届いていない(※編注)。

中学生の時「ナオミの夢」という
曲が大流行した。
ヘドバとダビデという
イスラエル人のデュエットで
A面日本語B面ヘブライ語で歌った。
片言の日本語がとても新鮮で
みんなが口ずさんだ。
“ナオミ”は旧約聖書にも登場する
欧米ではポピュラーな女性の名前で、
“幸せ”や“和み”を意味するヘブライ語だ。
「ナオミの夢」まさしく正夢となった。

大坂は今回「我慢」の成長を強調し
大きな勝因に挙げていた。
世界の強者が集まり、
頂上を目指す中では
思い通りにいかない壁が立ちはだかる。
松山英樹が今まさに戦っている壁だ。
昨シーズン、頂上に手の届くところまできた
と思えたが難関に行き当たった。

最後の大きな壁を乗り越える手がかりが、
「我慢」というキーワード
心のコントロールかもしれない。
「ヒデキの夢」を正夢とするために、
言葉をひとつ呑み込み、
空を見上げて笑顔で通り過ごそう。
夢はきっと叶う。

宮本 卓Taku Miyamoto

1957年、和歌山県生まれ。神奈川大学を経てアサヒゴルフ写真部入社。84年に独立し、フリーのゴルフカメラマンになる。87年より海外に活動の拠点を移し、メジャー大会取材だけでも100試合を数える。世界のゴルフ場の撮影にも力を入れており、2002年からPebble Beach Golf Links、2010年よりRiviera Country Club、2013年より我孫子ゴルフ倶楽部でそれぞれライセンス・フォトグラファーを務める。また、写真集に「美しきゴルフコースへの旅」「Dream of Riviera」、作家・伊集院静氏との共著で「夢のゴルフコースへ」シリーズ(小学館文庫)などがある。全米ゴルフ記者協会会員、世界ゴルフ殿堂選考委員。

閉じる