旅する写心 〜A Life Story

今年の全英女子オープンは
ロンドン北部のウォーバーンGCで
開催される。
このコースでの開催は11回目。
歴史を辿ると、
栄えある最初の開催で優勝したのは
岡本綾子だ。

欧州ツアーと米LPGAの共催だった
1984年大会。
米国に主戦場を移して4年目の岡本は、
その年すでに4勝を挙げて、
スポンサーに日立がついた同大会へ
乗り込んだ。
岡本にとって初めてのイギリスでの試合。
強い風、凍える寒さで
ライバルのアメリカ勢がスコアを崩す中、
ただ一人アンダーパーで回り
2位に11ストローク差をつけて優勝した。
そして、
この年は賞金女王争いにも加わった。

米LPGAの歴史を辿れば辿るほど
岡本綾子の凄さを再認識させられる。
そんな彼女が欲してやまなかったのが
メジャータイトルだ。
幾度となく優勝争いはしてきたが
その夢は叶わなかった。
そう、
女子の「全英」がメジャーに昇格したのは
2001年のことだった。

運命と言えばそれまでだが、
世界に誇る素晴らしいプレーヤーだったことは間違いない。

Woburn Golf Club
イギリス ミルトン・ケインズ

宮本 卓Taku Miyamoto

1957年、和歌山県生まれ。神奈川大学を経てアサヒゴルフ写真部入社。84年に独立し、フリーのゴルフカメラマンになる。87年より海外に活動の拠点を移し、メジャー大会取材だけでも100試合を数える。世界のゴルフ場の撮影にも力を入れており、2002年からPebble Beach Golf Links、2010年よりRiviera Country Club、2013年より我孫子ゴルフ倶楽部でそれぞれライセンス・フォトグラファーを務める。また、写真集に「美しきゴルフコースへの旅」「Dream of Riviera」、作家・伊集院静氏との共著で「夢のゴルフコースへ」シリーズ(小学館文庫)などがある。全米ゴルフ記者協会会員、世界ゴルフ殿堂選考委員。

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