旅する写心 〜「コース巡礼」42.キアワアイランド オーシャンコース 18番ホール

40年近くの取材歴の中で
一番興奮した大会を聞かれると
決まって答えるのが
1991年のライダーカップ。
それはマスターズでもなく
全米でも全英でもない、
日本人が誰も出場していない大会。
その舞台となったキアワで
今年のメジャー2戦目
全米プロが開催される。

PGAツアーを旅するようになって
数年が経過し、海外のメディア仲間から
「ライダーカップに一度は行け」と
勧められていた。
ちょうどこのころ鬼才と呼ばれた
ピート・ダイ設計のコースが
アメリカのみならず
日本でも話題になっていた。

サウスカロライナ州の大西洋沿岸に広がる
キアワアイランド オーシャンコースは
美しさだけではなく
一年中、強風が吹き荒れることで有名。
特に後半14番パー3を折り返したころから
コースは牙をむく。

守ろうとか勝ちたいとか思った瞬間、
ピート・ダイの罠に面白いようにハマってしまう。
たとえ世界のトッププレーヤーであろうと容赦はない。
それは過去の歴史が物語っている。
松山英樹のメジャー連覇がかかるとても楽しみな大会。
今回は早起きしてテレビ観戦といこう。

Kiawah Island Golf Resort
キアワアイランドゴルフリゾート

宮本 卓Taku Miyamoto

1957年、和歌山県生まれ。神奈川大学を経てアサヒゴルフ写真部入社。84年に独立し、フリーのゴルフカメラマンになる。87年より海外に活動の拠点を移し、メジャー大会取材だけでも100試合を数える。世界のゴルフ場の撮影にも力を入れており、2002年からPebble Beach Golf Links、2010年よりRiviera Country Club、2013年より我孫子ゴルフ倶楽部でそれぞれライセンス・フォトグラファーを務める。また、写真集に「美しきゴルフコースへの旅」「Dream of Riviera」、作家・伊集院静氏との共著で「夢のゴルフコースへ」シリーズ(小学館文庫)などがある。全米ゴルフ記者協会会員、世界ゴルフ殿堂選考委員。

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